トラリピはマネースクエアが特許を持つ自動売買の注文方法で、最近話題になっていますね。
確かに非常に優れた注文方法なのですが、デメリットや注意点もありますので運用するのであればそのあたりは事前に把握しておくほうが良いでしょう。
僕もトラリピは運用していますので、現状での実績とトラリピの設定も紹介します。
トラリピの実績を紹介
2019年1月20日にマネースクエアの口座に90万円を入金してトラリピの運用を開始しました。
・AUD/JPY
・NZD/USD
現在は上記の2通貨ペアで運用をしています。理由は過去のチャートを見て比較的良く動き、レンジ相場になりやすいからです。
現在は様子見をしている状態ですが、ある程度のデータが集まれば、資金を増やして別の通貨ペアも取り扱う予定にしています。
2019年5月(トラリピ運用開始から4カ月)の実績
・確定した利益:36,892円
・含み損益:-47,256円
・時価残高:889,636円
・トータルの利益:-10,364円(-1.2%)
毎月順調に利益が確定して3万円を超えてきていたのですが、2019年5月の米中貿易摩擦の件で含み損が一気に増えてトータルの利益がマイナスになってしまいました。
ただトラリピは含み損を抱えながら、利益を吐き出していくという仕組みなので、実は含み損が大きくなっているのは特に問題ないんですよね。むしろ良い傾向です。
予定通りのレンジ相場であればこの後価格が戻って、一気に利益を吐き出してくれます。
ただ予定のレンジ相場から外れてしまうと大問題なので、それはデメリットや注意点の所でお話しします。
確定利益 | 現金残高 | 含み損 | |
2019年1月 | 2,949 | 902,949 | – |
2019年2月 | 19,033 | 919,033 | – |
2019年3月 | 28,303 | 928,303 | – |
2019年4月 | 34,753 | 934,753 | – |
2019年5月 | 36,892 | 936,892 | -47,256 |
含み損のデータは2019年4月まで取っていなかったので、今後残していきます。
トラリピの設定を紹介
僕の場合は過去のチャートを見て、できる限りレンジ相場を幅広くとることを心がけています。
レンジ相場を広くすると、証拠金が沢山必要になる、もしくは利益が減るのどちらかになるのですが、僕は利益を減らしてでも安全な方が良いのでそうしています。
また証拠金の量を少なくするためどちらもハーフ&ハーフで設定しています。
AUD/JPYの設定
AUD/JPY買い | AUD/JPY売り | |
幅 | 70.2-85.0 | 85.4-100.2 |
本数 | 38本 | 38本 |
間隔 | 0.4刻み | 0.4刻み |
利益金額 | 800 | 800 |
決済トレール | なし | なし |
AUD/JPYは初めて運用した通貨ペアーなので、鈴さんの設定を参考にさせてもらいました。
ただ決済トレールは無しにしています。
NZD/USDの設定
NZD/USD買い | NZD/USD売り | |
幅 | 0.602-0.680 | 0.682-0.760 |
本数 | 40本 | 40本 |
間隔 | 0.2刻み | 0.2刻み |
利益金額 | 5.5ドル | 5.5ドル |
決済トレール | なし | なし |
こちらはできる限り幅を取り、広めで運用をしています。
また、いざというときには資金を追加できるよう、資金には余力を残して運用をしています。
トラリピとは?詳しく解説
トラリピとはトラップリピートイフダンの略です。
まずイフダンから解説しましょう。
イフダンとは?
ある値になったら購入し、さらにある値になったらそれを売るという注文です。if(もし○○になったら)Done(決行する)という事ですね。
具体例を出してみます。現在値が95円だったとしましょう。
この時もし90円になったら買うという注文を出します。さらにそれが100円になったら売るという注文も出しておきます。
そうすれば、チャートに張り付いていなくても、90円になったら勝手に購入して、その後値上がりして100円になったら勝手に売ってくれます。
これがイフダンという注文方法です。
リピートイフダンとは?
先ほどのイフダンの例で説明します。90円に下がった時に購入して、100円になって売ったとします。
イフダンだとこれで終了なのですが、リピートイフダンの場合は、100円になったあと90円になったらまた購入します。そしてその後100円になったらまた売ります。
このように、指令が全て完了したら、また自動で同じ注文を繰り返して出すのがリピートイフダンです。
90円と100円の間を永遠に行き来している相場だとこれで、永久に利益を出せることになりますね。
トラップリピートイフダン(トラリピ)とは?
リピートイフダンを沢山仕掛けるという注文方法です。
90円で購入して100円で売る。
91円で購入して101円で売る。
92円で購入して102円で売る。
のように一定間隔でリピートイフダンの注文をするのがトラリピです。
この注文をすることで、以下のように相場が動くたびに自動で売買が繰り返され、勝手に利益が膨らんでいくという仕組みです。
トラリピを動画で学ぶ
マネースクエアが解説しているトラリピの動画です。
先ほどの解説と合わせて見る事で理解が深まると思います。
トラリピのメリットは?勝ちやすいの?
通常のFXでは8割の人が負けていると言われています。
負けている人の多くは短期売買や超短期売買などをしているわけですが、そこに確かな理論があるわけではなく、行き当たりばったりな投資をしているのが主な原因です。
また人は損をするのが嫌いです。
A:50%の確率で100万円がもらえるけど、50%の確率で50万円を失うゲーム
B:100%の確率で20万円もらえるゲーム
この2つがあった場合に多くの人はBを選びます。確実な方が好きなんですね。
でもAの期待値は25万円で、Bの期待値は20万円ですからトータルで勝つためにはAを選ぶ方が正解です。
このように期待値を計算せずに、感情で動いてしまうのが普通の人間なんですね。
だから人の判断で売買をすると、多くの場合負けてしまうという事になります。
一方でトラリピはどうでしょうか?
①初めに〇円から〇円の範囲(レンジ相場)でチャートが上下することを予想
②その範囲にトラリピの注文を入れておく
③価格が上がるか下がるかを予想しなくても勝手に売買してくれる
始めにレンジ相場を決定するところには人の判断が入りますが、それ以降発注した後は全て自動で売買が繰り返されます。
このタイミングで売るべきか、買うべきかという判断をしなくてよいわけです。
そうなると一番初めに決定した、勝てる可能性が高いルールに従って売買が進められていくわけですから負ける可能性が低くなるのが分かるのではないでしょうか?
実際トラリピの注文ができるマネースクエアでは6年も連続で預かり資産が増えています。
また売買手数料が無料化されたので、より利益を出しやすくなっています。
トラリピのデメリットや注意点
絶対に避けるべきはロスカット
トラリピをやっていて絶対に避けなければいけないのはロスカットです。
ロスカットされてしまうと大金を失ってしまいます。月数%の利益を出し続けていても、ロスカットされてしまえば、ゼロになります。
マネースクエアでは証拠金維持率が80%以下になると強制的にロスカットされますので、そうならないように資金管理はしっかりやっておきましょう。
ロスカットされないようにするためには4つの方法があります。
①トラップの本数を減らす
②1つの注文の通貨数を減らす(2000通貨より1000通貨の方が安全)
③レンジ相場をより広くとる
④全資産を入金して、めいっぱい取引するのではなく、余剰資金を残しておきいざとなったら入金できるようにしておく
自分の状況に照らし合わせて、どれを使うか考えておきましょう。
レンジ相場になりにくい通貨は避ける
一番注意が必要なのは、トルコリラのように徐々に下がり続ける通貨です。
トラリピはレンジ相場でないと利益を出せません。
不安定な通貨を選んでしまった場合、ずっと下がり続けることになりその内ロスカットされてしまいます。
ですので、トラリピで扱う通貨は有名な通貨にしておいた方が無難です。有名な通貨であれば、一方的に下がり続けるというリスクは少なくなるからです。(もちろん100%ではありません。)
レンジ幅はできる限り大きくとる
レンジ幅をAにするのかBにするのかで収益性は大きく変わります。
Aの範囲に40本のトラップを仕掛けるのと、Bの範囲に40本のトラップを仕掛けるのでは、Bの方が間隔が狭い分売買頻度が上がりますよね。
ただBの場合、レンジ幅から外れてしまうリスクも十分あるので、その場合はロスカットの危険が出てきます。
一方でAの方では十分なレンジ幅をとれていると思いますが、60円ほどの幅に40本のトラップしかないという事は、1.5円ごとにトラップが仕掛けられているという事なので、なかなか売買が成立しません。
ここは持っている資金との相談になるわけですが、資金が少ないからと言ってレンジ幅を小さくしすぎると長期的な視点で見ると痛い目にあう可能性が高いのでしっかり注意してください。
含み損を抱えてしまう
トラリピで運用する場合、上記画像のように売買を繰り返していくことになります。
この時、赤い丸の点でどうなっているのかを見てみましょう。
赤丸の左側にある3つの点で購入していますね。しかもそこから比べると赤丸の点では価格が下がっています。
つまりこの点では含み損を抱えているんですよね。
トラリピの場合含み損は悪いわけではありません。一旦含み損を抱えてから、相場が反転したときに売って利益にしていくわけです。ですので、レンジ相場を外れるほど下がり続けなければ、含み損は必要なものなのです。
とはいえ、トラリピ初心者の場合は、この含み損にショックを受けて、全て損切してしまうことも考えられます。
ですのでトラリピをやるのであれば、含み損に耐える必要があるわけですね。
トラリピに関するQ&A
トラリピの手数料はどうなっているの?
以前は手数料があったので、うまくやる必要があったのですが、現在はトラリピの取引に手数料はかかりません。
ですので非常に利益を出しやすくなっています。
また入出金の手数料や口座維持費なども無料です。
ただし入金時には銀行に支払う手数料が発生する場合があります。
トラリピのスプレッドはどれくらいなの?
通常時USD/JPYやEUR/JPYで0.03円、AUD/JPYやNZD/JPYで0.04円ほどです。
スプレッドは少し大きめですが、手数料が無料なのでそれで相殺している感じですね。
またトラリピの注文をしたら後は放置なので、スプレッドが気になるタイミングはほぼありません。
証拠金維持率はどれくらいが良いの?
相場が急に動くこともあるので、できる限り大きいほうが良いとしか言えませんが、最低でも1000%以上になっているのが望ましいと思います。
1000%でも安心とは言えないので、相場の動きはしっかり確認して、ヤバそうであればすぐに入金できる体制にしておきましょう。
トラリピは最小でいくらから始められるの?
始めるだけなら5万円でも10万円でもはじめることは可能です。
ただ、それだとトラップの本数がかなり少なくなってしまうので、なかなか売買が成立しないという事になります。
ですので最低でも20-30万円はあったほうが良いかと思います。
トラリピのハーフ&ハーフの設定はどうやるの?
ハーフ&ハーフにしておくと、証拠金の量を減らせるので効率が良くなります。
注文のやり方は以下の記事にまとめましたので参考にしてみてください。
トラリピで一気に出した注文を変更したり取り消したりできるの?
変更したり取り消したりはできますが、ちょっと混乱すると思いますのでやり方を以下の記事にまとめました。
トラリピの評判はどうなの?
今日のトラリピは特に新規注文も決済もなく穏やかでした🐥
今の現金残高は809,767円!
私は原資金80万円なので、あと決済1回で記念すべき+1万円だ〜✨ワクワクドキドキ😍#トラリピ pic.twitter.com/tmvCNmL7sY
— 30代育休ママ”むった”@トラリピ・ウェルスナビ・つみたてnisaエンジョイ中( ・∇・) (@mutta_m) 2019年5月10日
今日は為替が動いたようで、NZD/USDとEUR/JPYの買いが通ったようです。
ゴールデンウイーク中は2千円強の利益でした。
少ないですが休みの間も稼いでくれるトラリピはオススメ。 pic.twitter.com/WAtJSUbibM— MSRさん (@se_msr) 2019年5月6日
その考えで正しいです
トラリピは含み損というかポジションが増えないと大きな利益が狙えません。ただし、①想定レンジは十分に広くとってあるか?
②運用通貨ペアはレンジを形成しているか?は気にして下さい。
この二つを満たせていないと急落でロスカットor待っていても利益が出ません(^-^ゞ https://t.co/zsXhUoY99Z— 鈴@セミリタイア生活中 (@semiritaia_suzu) 2019年5月13日
トラリピ、昨日から実現損益が1月以来のマイナス圏に突入。
円高でポジション増えまくってますからねー(;^_^A
まー資金管理を徹底して、そのうち反発してくれるのを期待ですねー。 pic.twitter.com/yuliQwaopa— クマ先輩 雰囲気投資家 (@kumasenpai1) 2019年5月10日
まとめ
トラリピは非常に優れた投資方法だと思いますが、ここに挙げたようなデメリットや注意点もあります。
ですので始める前にしっかり確認してから始めるようにしましょう。