FXの自動売買取引としてトラリピとトライオートFXはよく比較されます。
トライオートFXには超簡単に設定できるツール(コアレンジャーなど)があるので、初心者の人はそれを使っていると思いますが、実はリスクもあります。

ですのでカスタム設定を使うことになるのですが、そうなると注文方法に関してはトラリピとほぼ変わりません。
となると手数料や取扱通貨、そして決済トレールなどが比較項目になってきます。この記事ではこれらの項目を比較し、どちらが良いのかを解説します。
目次
トラリピとトライオートFXの手数料を比較
FXの手数料は取引手数料とスプレッドを合わせたものです。
取引手数料とは、購入したり売却するときに支払う手数料です。
スプレッドとは、以下の赤枠(Bid:売り)と青枠(Ask:買い)の数字の差の事です。購入してすぐに売ってもこの差分だけはマイナスになるように設定されており、これも手数料となります。

ですのでトラリピとトライオートFXの取引手数料とスプレッドの大きさを調べるとどちらの手数料が高いのかが分かります。
トラリピとトライオートFXの取引手数料を比較
【トライオートFXの取引手数料】
取引数量 | 新規 | 決済 | 1,000通貨あたり |
1万通貨未満 | 2.0pips | 2.0pips | 片道20円(対外貨は0.2外貨) |
1万通貨以上10万通貨未満 | 1.0pips | 1.0pips | 片道10円(対外貨は0.1外貨) |
10万通貨以上50万通貨未満 | 0.5pips | 0.5pips | 片道5円(対外貨は0.05外貨) |
50万通貨以上 | 無料 |
50万通貨以上であれば手数料は無料ですが、それ以下では手数料がかかってしまいます。
【トラリピの取引手数料】
トラリピ | 新規 | 決済 |
1万通貨未満 | 無料 | |
1万通貨以上 |
トラリピは2018年9月29日以降、取引手数料が無料になりました。これは大きいですね。
トラリピとトライオートFXのスプレッドを比較
通貨ペア | トラリピ(pips) | トライオートFX(pips) |
USD/JPY | 3 | 0.3 |
AUD/JPY | 4 | 0.6 |
EUR/USD | 3 | 0.3 |
AUD/USD | 3 | 1.4 |
EUR/JPY | 3 | 0.5 |
NZD/USD | 3 | 2 |
CAD/JPY | 3 | 1.9 |
NZD/JPY | 4 | 1.7 |
GBP/JPY | 4 | 1 |
TRY/JPY | 6 | 5.5 |
ZAR/JPY | 2 | 1.8 |
USD/CHF | 取扱なし | 2 |
EUR/GBP | 1.9 | |
GBP/USD | 1.4 | |
EUR/AUD | 2 | |
CHF/JPY | 2 | |
AUD/NZD | 5.8 |
(2019年5月21日に調査)
これを見ると、トラリピで取り扱いのある通貨は全てトライオートFXのスプレッドの方が小さいことが分かります。
スプレッドだけを見るとトライオートFXが有利ですね。
トラリピとトライオートFXの取引手数料とスプレッドを合計
トライオートFXでは取引通貨量毎に取引手数料が異なります。
ですが、一定間隔毎に沢山の注文を入れる自動売買ですので、数千万以上の資金がない人はそれぞれの注文は1000-9000通貨になるでしょう。
そうすると買いと売り合わせて4.0pipsの取引手数料がかかることになります。これをスプレッドに追加して合計の手数料を比較してみましょう。
【トラリピとトライオートFXの合計手数料を比較】
通貨ペア | トラリピ(pips) | トライオートFX(pips) |
USD/JPY | 3 | 4.3 |
AUD/JPY | 4 | 4.6 |
EUR/USD | 3 | 4.3 |
AUD/USD | 3 | 5.4 |
EUR/JPY | 3 | 4.5 |
NZD/USD | 3 | 6 |
CAD/JPY | 3 | 5.9 |
NZD/JPY | 4 | 5.7 |
GBP/JPY | 4 | 5 |
TRY/JPY | 6 | 9.5 |
ZAR/JPY | 2 | 6.8 |
USD/CHF | 取扱なし | 6 |
EUR/GBP | 5.9 | |
GBP/USD | 6.4 | |
EUR/AUD | 6 | |
CHF/JPY | 6 | |
AUD/NZD | 9.8 |
そうすると、トラリピで取り扱いのある全ての通貨で、トラリピの方が手数料が安くなりました。
というわけで、トラリピで取り扱いがある通貨ペアであればトラリピで運用した方が利益が出やすくなると言えます。
トラリピとトライオートFXの取り扱い通貨について
トラリピで取り扱いのある通貨ペアに関してはトラリピで運用する方が良いと言いました。
トラリピで取り扱いがある通貨ペアは以下です。
USD/JPY |
AUD/JPY |
EUR/USD |
AUD/USD |
EUR/JPY |
NZD/USD |
CAD/JPY |
NZD/JPY |
GBP/JPY |
TRY/JPY |
ZAR/JPY |
一方でトライオートFXにしかない通貨ペアを運用したい場合であれば、トライオートFXを使うしかありませんね。以下がトラリピにはなくてトライオートFXにある通貨ペアです。
USD/CHF |
EUR/GBP |
GBP/USD |
EUR/AUD |
CHF/JPY |
AUD/NZD |
特にトライオートFXで利益率が高くて人気のAUD/NZDはトラリピにはありませんので、これはトライオートFXで運用することになりますね。
AUD/NZDは変動幅が小さく、下振れしにくいことから比較的安定という事で優れた通貨ペアです。ただ落とし穴もありますので、以下も参考にしてみてください。

トラリピにしかない決済トレールの優位性について
決済トレールとは、トレンド相場に入った時に、予定の決済注文をどんどん上に修正していき、できる限り大きな利益をとれるようにする仕組みの事です。

ですが、決済トレールはレンジ相場では決済されにくいというデメリットもあります。予定の決済値よりも0.2円上に動かないと発動しないので、レンジ相場などでは機会損失も大きくなります。
マネースクエアでは決済トレールのバックテストを行っており、決済トレールを利用したほうが利益が出やすい事を証明しています。(実践FXトラリピの教科書より)
ただこのバックテストは期間も短いですし、正しく評価できているのか疑問な点もあるんですよね。ですので僕的には決済トレールを使ったほうが良いのかどうかはまだ不明かなと思っています。
ただこの議論は実はここでする必要はないんですよね。
トラリピで取り扱いがある通貨ペアは手数料的にトラリピの方がメリットが大きいとお伝えしました。
トラリピには決済トレールがあるので、使う使わないは自分で選べばOKです。
一方でトラリピにはない通貨ペアはトライオートFXで運用することになります。
もしトライオートFXとトラリピの両方にある通貨ペアで、トライオートFXの方が手数料的にメリットがある通貨ペアがあった場合には、決済トレールの優位性を議論しなければいけないわけですが、そんな通貨ペアは現在ありません。
結論
トラリピにある通貨ペアは、トラリピで運用する方が手数料的にお得。
トラリピにない通貨ペアはトライオートFXで運用する。
この法則に従って運用すればOKです。大量の注文をするFXの自動売買では手数料が非常に重要になってくるので、気を付けてくださいね。