トラリピでロスカットされずにうまく利益を出せるかどうかは初めの設定にかかっています。
この記事ではどのような考え方でトラリピの設定をすればよいのかを解説し、注意点なども紹介していきます。
またユーロ/円(EUR/JPY)で設定決めの実践もしてみますね。
目次
トラリピで設定をするときの考え方や注意点
トラリピで運用する通貨を決める
まず過去のチャートの動きや暴落率などを数値で確認してみましょう。過去17年のチャートからそれぞれの通貨ペアの変動率を出しました(分かりやすくするために安値は切り下げ、高値は切り上げをしています)。
過去のデータを確認
安値 | 高値 | 変動率 | リーマンショック 下落率 |
|
USD/JPY | 75 | 126 | 168% | 21% |
EUR/JPY | 94 | 170 | 181% | 33% |
EUR/USD | 0.96 | 1.61 | 168% | 23% |
AUD/JPY | 55 | 108 | 196% | 46% |
AUD/USD | 0.54 | 1.11 | 206% | 39% |
NZD/JPY | 44 | 98 | 223% | 46% |
NZD/USD | 0.46 | 0.89 | 193% | 37% |
CAD/JPY | 68 | 126 | 185% | 36% |
GBP/JPY | 116 | 252 | 217% | 45% |
TRY/JPY | 15 | 100 | 667% | 44% |
ZAR/JPY | 6 | 20 | 333% | 49% |
変動率が小さいほうが、想定レンジ幅を狭くできるので、変動率が小さいほうがトラリピには優れているといえます。
ただレンジ相場を形成しやすい通貨かどうかはこの数値だけでは分からないので、最終的には過去のチャートを見て決めることになります。
またリーマンショックでの下落率をみてみましょう。ここの値はいざというときに大きく動くかどうかを示しています。下落率が少ないほうが安全という事になりますね。もちろん、今後起こるショックの種類によって下落率は変わると思うので、この値だけを信用するのは危険ですが、一応の目安にはなるかと思います。
では変動率の少ないUSD/JPYとEUR/USDのチャートを見てみましょう。
過去のチャートを確認
過去17年分のチャートを表示します。
【USD/JPYのチャート】
【EUR/USDのチャート】
ここに表示されている安値から高値まで想定のレンジ幅とするのであれば、USD/JPYでもEUR/USDでもどちらでも良いと思います。
ですがそれだけ広いレンジ幅を取ると、資金が少ないうちはほぼ利益は出ないかと思います。仕掛けられるトラップの本数は資金によって決まるわけですので、レンジ幅を広くとるとそれだけトラップが分散してしまうという事になるからです。
ですのである程度のリスクは考慮して、少しレンジ幅を狭くとる必要も出てくるでしょう。
これは人によって判断が分かれると思いますが、僕個人としてはEUR/USDの方が設定しやすいと考えます。
USD/JPYの方はレンジ幅を狭めるとしたら赤枠の部分になると思いますが、これだとレンジ幅をはずれる可能性が高そうに見えますよね。
EUR/USDの想定レンジ幅と比べるとUSD/JPYの方が危険そうなのは感じるのではないでしょうか?
仕掛けられるトラップの本数も考慮する
100万円の資金を運用し、レンジ幅の下限になった時にロスカットされるという設定でどれだけトラップの本数を仕掛けられるのかを見てみましょう。
これから利用する試算表はマネースクエアにログイン後、「トラリピ」⇒「らくトラ運用試算表」の順にクリックすると利用できます↑。
【USD/JPYの場合】
0.5円幅でトラップを仕掛けて、55本仕掛けられる計算になります↑。
【EUR/USDの場合】
0.0156ドルの間隔で31本のトラップを仕掛けられる計算になります。
このように同じ資金を持っていても通貨ペアによって仕掛けられるトラップの数は違うんですね。通貨の価格が違うためにおこるものです。
USD/JPYの方が沢山トラップを仕掛けられるわけですから、利益を出せる機会が増えます。EUR/JPYの方は、トラップの数は少なくなりますが、1回の利益はUSD/JPYより大きく狙えるという事でもあります。
どちらが利益を出しやすいかと言えば、本数が多いほうだと思います。
結局USD/JPYとEUR/USDならどっち?
変動率やリーマンショックでの下落率はほぼ同じでしたね。
資金が多いのであれば、過去17年の最安値から最高値までを想定レンジ幅とすればよいのですが、そうもいかないのが現状でしょう。
そうなると想定レンジ幅を狭める必要が出てきて、さきほどのチャートでどちらが良いのかを考慮する必要が出てきます↓。
ここは意見が分かれる部分だと思いますが、僕であれば安全性を考慮してEUR/USDの方を選びます。
USD/JPYの方が利益率が高くなりますが、長期で安全に運用することを考えるとEUR/USDの方に分があると思います。(想定レンジ幅が変わればまた判断は変わります)
EUR/USDでトラリピの設定をしてみよう
ハーフ&ハーフを取り入れる
通常は想定レンジ幅の間で買いのトラップを仕掛けるわけですが、想定レンジ幅を半分に分け、下半分に買いのトラップを、上半分に売りのトラップを仕掛けるという方法があります。
それがハーフ&ハーフです。この方法で注文すると証拠金が約半分しか必要なくなるので、利益率を高めることができるんですよね。
詳しくは以下にまとめていますので参考にして下さい。
EUR/USDでハーフ&ハーフを設定をしてみる
ここでは資金100万円で運用すると仮定して設定を作ってみます。
買いのレンジ | 売りのレンジ | |
通貨ペア | EUR/USD | EUR/USD |
売買の方向 | 買い⇒売りのイフダン | 売り⇒買いのイフダン |
レンジの上限 | 1.27 | 1.51 |
レンジの下限 | 1.04 | 1.28 |
トラップの本数 | 56 | 53 |
通貨量(万通貨) | 0.1 | 0.1 |
1本あたりで狙う利益 | 8-9ドル | 8-9ドル |
トラップの本数はらくトラ試算表で決めています。レンジ幅から外れるタイミングでロスカットされるように設定しました。
【買いの試算表】
【売りの試算表】
トラップ1本あたりで狙う利益幅は8ドル~9ドルが最適です。
後はこの表通りにマネースクエアで設定・注文すればOKです。
買いのレンジ | 売りのレンジ | |
通貨ペア | EUR/USD | EUR/USD |
売買の方向 | 買い⇒売りのイフダン | 売り⇒買いのイフダン |
レンジの上限 | 1.27 | 1.51 |
レンジの下限 | 1.04 | 1.28 |
トラップの本数 | 56 | 53 |
通貨量(万通貨) | 0.1 | 0.1 |
1本あたりで狙う利益 | 8-9ドル | 8-9ドル |
具体的な注文のやり方は以下で解説しています。
トラリピでは短期だからレンジ幅を狭めるという考え方をしないほうが良い理由
これはAUD/JPYの過去17年のチャートです。
トラリピでは想定レンジ幅をできる限り小さくし、その中にトラップ本数を多く仕掛けると利益を出しやすくなります。
その一方でレンジ幅を狭くするとそのレンジ幅から外れる可能性も高くなり、ロスカットの危険が高まります。
例えば上記の赤枠の部分を想定レンジ幅として設定するような場合ですね。
短期だからと言って、想定レンジ幅を狭くしていると、予想より下に行ってしまった場合、大きな含み損を抱えることになりますし、ロスカットの危険性も高まります。
完全にロスカットされても良いお金でやるのであればいいと思いますが、それであればトラリピではなくもっとギャンブル性の高いものの方があっているような気がします。
短期で利益を稼いで、設定を全て解除して逃げるという考え方だと思いますが、そんなにうまくはいきません。利益がでていたら、そのままの設定で継続したくなりますからね。
まとめ
トラリピの設定に関する考え方や注意点を紹介し、実際にEUR/USDで設定する方法を解説しました。
相場は予想外のことが起こりますので、利益を追求しすぎないように注意して設定してくださいね。